ご 挨 拶 日本香料協会会長 塩野秀作 (塩野香料株式会社社長)

 2015年6月11日の第68回定時総会にて10代目会長に就任致しました塩野秀作です。
 当香料協会は、1947(昭和22)年6月に、弊社社長であった冨樫芳治郎、小野嘉七(日本香料薬品社長)、吉井桃麻呂(日香化学社長)、野坂穣(湘南香料工業)、山崎三吉(山陽果工社長)らによって設立された学術文化団体であります。
 冨樫芳治郎初代会長は、設立の目的を「香料産業の発達を念願とすべきは勿論であるけれども、香料を社会的に衆知(周知)してもらうためである。何となれば香料は、我々の日常生活に絶対必需品なるにかかわらず、意外に認識を持たぬ人が少なくないからである」としています。
 終戦からわずか1年10カ月の68年前、食糧不足と社会的混乱が続く時期に、日本の香料産業の発展と正しい香料知識の普及を念願として設立されたことは驚くべきことです。先人の熱い思いが伝わってきます。
 残念ながら設立の目的は現在も達成されているとは言い難く、引続き香料の知識を広く認知いただくことは大事な使命だと考え、昨年、念願のホームページを開設しました。開設効果もあってか、入会される方が増えてきました。
 また「香り」は人々の生活に潤いをもたらし、ストレスによる精神面の回復改善に役立ち、最近では認知症の改善にも効果があることが実証されています。このように香りの効用があることを広く知っていただき、香料の存在意義を正しく認知していただけるように活動していきたいと思っています。
 当香料協会は主に4つの活動をしています。@会誌「香料」の発行(年4回)と関連図書の発行、A講習会の開催(食品香料講習会2年連続と香粧品香料講習会と交互に実施)、B学術講演会の開催(1月下旬ころ)、C見学会の開催(毎年秋ころ)です。
 当香料協会では会員数の維持は大切な課題で、会員を増やすことは大事な活動です。会員増強策として、年2回の講演会のみを聴講できる聴講会員の新設を考慮中です。また香料知識の普及活動の一環として、出前授業や企業の研究所・工場の見学会実施も考えています。また2年後の2017年(平成29年度)には創立70周年を迎えますので、記念号の発刊や関係者の皆様に呼び掛けて記念の催事を開催したいと思います。今後ともどうか皆様のご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。